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ぼくの町の秘密の秘密

ゲームを終えた方へ

ぼくの町に眠る「秘密」とは結局なんだったのか?
 

 神社の謎については用語がどうしても難しいせいか、理解が難しかったかもしれません。ここで関係について整理します。

 

躑躅神社(つつじ・じんじゃ)には三柱の神様がいます。分かりづらいので頭だけ。
・笠原
・橘花
・大比売


神社の言い伝えでは、笠原と橘花が夫婦で大比売が娘という事になっていますが、これは嘘。
実際は大比売はこの地の前の支配者で、笠原が征服者なんです。
大比売は笠原に殺され、後に大比売の怨霊を恐れた笠原の子孫があの神社を建て、
あそこに霊を閉じ込めたんです。(二礼四拍手一礼と逆注連縄はやっぱり「呪い」なんです)


明治になり廃仏毀釈と時代変化の結果、大比売を祀る神社でなく笠原が主神になってしまう。
その頃にはあの神社がなんのために作られたか知ってる人はいなかったんですね。
本来はつつじヶ丘古墳が本殿代わりで、その中に埋められた大比売に向かって礼拝していたのですが、
この時代変化により新たに本殿が建てられます。もちろん笠原をメインで祀っています。

また神社の財政状況が悪くなり、つつじヶ丘古墳が売られてしまう。
これが重要で、この事により神社の呪いから解き放たれた大比売がどうなったのか?
「つつじ」という名前がキーワードです。
本来は大比売の名は躑躅比売(つつじひめ)という名ですが、
彼女の名前が最終的には市の名前に取り入れられます。
「再征服完了!」という事です。たまたまではありません。
彼女が千五百年ぶりにあの地を取り戻した事を象徴しているんですね。

逆に考えれば、彼女の名前が「つつじ」である事が分かれば、
あれが呪いであった事もまた分かるのです。ぼくが最後に彼女の名前を聞いたのはそういうことです。


定岡トミ子とは何者だったのか?

影女こそが本当の定岡トミ子であり、ぼくの先生は本当は別人で「梨香子」という名前である事は
最後までやっていただければ分かるはずです。
二人は孤児で、顔が似ていました。これはたまたまです。
ただ梨香子がトミ子を憎むようになる原因がここにあるんです。
顔も生い立ちも似ているのに、トミ子は学校の先生になって社会的に成功します。
これが梨香子には憎かった。
もともと梨香子は被害妄想の強い女ですが、この事によりトミ子を殺し、
自分もトミ子と同じ事ができる事を証明したくなったんですね。
だから殺して入れ替わった。突拍子もない話ですが、突拍子もない人間なので。
また顔が元から似ていないと、いくら整形しても他人になりすますのは不可能ですからね。

ここら辺の心理描写はゲーム内で書かれていません。神社の謎の方が込み入っているので、
こっちはなるべく情報を軽くしたかったんです。トミ子は神社のご神木の根元に埋められますが、
たまたまああいう神社だったので怨霊が閉じ込められてしまいます。
それを注連縄を切る事によって、ぼくが解き放ってしまいます。躑躅比売と同じ状況です。
躑躅比売と影女は表裏一体で、どっちかの事が分かればもう一つも分かるようになっていました。
同じように神社に閉じ込められたので。

ぼくの能力は何だったのか?

ぼくの能力は「サイコメトリング」もしくは「サイコメトリー」と呼ばれるものに近いものです。
物体に残った残留思念を読み取ることで、過去のことを見ることができるというアレです。

ただゲーム内ではその名前を使わなかったのは、サイコメトリングが過去のことしか見れないのに対して、
ぼくの能力はもっと自由な力で、現在や未来も見ることができます。
最後の秘密の門にて、アニキの事を喋ると画面がアニキ視点に切り替わりますが、
これはアニキが現在、ぼくを視ているということなんです。
ライブ中継みたいなものです。監視していたんですね。

またベストエンド時、エンディングが終わった後に、偽トミ子が落下していく場面を視ることができます。
これは未来を予知しているわけです。
まだ起きてませんが、近い将来、本物のトミ子に追い詰められて転落死する運命が視えたのです。

秘密管理公団とは何者だったのか?

ゲームデザイン面から見ると、大げさな名前を名乗っていますがRPGによくある
「まだこっちに行けない」←これです。
町が広いので、最初から全ての場所に行けると迷うと思ったので。ただそれでも迷う人が多かったみたいです。
 
ストーリー面から見ると、あれはいわゆる「怨念」というやつです。
死者が現世に想いを残して死ぬと、そこに一種の呪いみたいなやつが生まれます。
これを管理公団なるもので表現したわけです。
もちろん生きている人もまた怨念を生み出す事はできますから、公団の会員になれます。
あの怨念をぼくが視る事で晴らしていく。するとだんだん呪いの範囲が狭くなり、行動範囲が広くなる。
そういう理屈です。

ちなみにおじさんは死んでます。
躑躅比売に会った後ぼくが「おじさん元気かな?」などと呑気な事をいってますが、元気じゃありません。
まあこの文言は自分もリリースしてからおかしいと気づいたのですが、まあいいか、と残しておきました。
ぼくはおじさんが死人である事を知っているわけではないので。

参考にした古代のこと色々

二礼四拍手一礼と逆に巻かれた注連縄は出雲大社が元ネタです。
出雲大社はこの事を上げて「大国主命」に呪いをかけて閉じ込めている、という噂があります。
もちろんなんの根拠もない事です。

本殿がない神社は大神神社が元ネタです。拝殿から背後の三輪山を拝礼します。
この本殿がなく拝殿から何かを拝むスタイルの方が神社の歴史としては古いものだという話です。
だからあなたの近くの神社に本殿がなければ、意外と歴史が古い神社かもしれません。

また古墳のあった場所は神社になっている率が高いそうです。
これは偶然と言われています。(詳しくは調べてみると面白いです)
武蔵府中熊野神社などは境内に古墳がありますが、これも偶然のようです。
ただこのゲーム内では実は関係があった、という事で話を膨らませました。

笠原命は6世紀の人物、笠原直使主がモデルです。
彼は武蔵国造で534年に武蔵国造の乱なるものを起こしました。
妻の橘花は架空の人物です。
躑躅比売も架空の人物ですが、関東の独立勢力の女王という設定は
「デビルサマナー」というゲームから拝借しました。このゲーム好きだったので。

三人組は何を埋めたのか?

ゲーム内で山道の怪しい三人組が何やら埋めるイベントがありました。
しかし掘り起こすと何も埋まっていませんでした。
なぜ?本当は何が埋まっていたのか?と思われたかもしれません。

ゲームを作っていて「さて何を埋めたかことにしようか」と考えた時、大別すると二つの物に絞られました。
・価値のある物(お金、何かの情報書類、宝石)
・価値のない物(死体など)
どうしようか、とアレコレ考えたのですが、結局何が埋まっていてもあまり驚きがないと結論づけました。
また何かが埋まっていてそれを掘り起こしたら、その後その処分に困ります。
話を続けなければなりません。あのイベントは、あくまで秘密の門を開けるための小ネタなので、
これ以上引っ張りたくなかった。
そこで「何も埋まってなかった」ことにしました。予想外でしょうし、話もここで終えられます。

せこくてすみません。

お口直しに、裏設定というかボツ設定として、彼らは外国の軍事スパイという設定でした。
軍用のGPSを持っていたのもそのためです。
ぼくが視て外国人と気づかない事から、アジア系でしょう。ただこの設定は使われないまま終わりました。
 
真応寺マヤが好きだったのは誰?

最後の秘密の門にて、ぼくが「真応寺マヤ」なる女の子を好きだと告白します。
彼女はもちろん真応寺という名の寺の子です。
お寺で扉をクリックすると「甘酸っぱい気持ちになる」という、
この事を知らないとおよそ意味不明な事をぼくが言います。

さて、彼女が好きな男の子ですがイニシャルだけは分かっています。
「T.O.」
答えはぼくのクラスメートの岡田タダシ君です。
なぜタダシの名字が岡田だと分かるのかというと、
郷土史を研究している岡田さんの家に図書館に行く前に行ってクリックすると、
「タダシの家は二丁目だから知らない岡田さんの家だ」なる言葉をぼくが喋ります。
また古いバージョンではセーブ時にセーブタイトルに場所の名前が出ます。
あれは色々とヒントも書かれていたのですが、コンビニの上くらいのマスでセーブすると
「岡田タダシのマンション付近」なる文言が出たはずです。(今、手元にないので記憶で書いてます)
ただバージョンが2.00になりセーブ周りを変更した事で、
セーブタイトルに場所の名前が出てくる仕様は破棄されました。
ので、こちらは古いバージョンを持っている人は確かめてみてください。
 
Break a leg!と電波塔

最後の秘密の門でおじさんとケンカをしたぼくは、電波塔にておじさんのメッセージを受け取ります。
「Break a leg! boy」
直訳すると「足を折っちまえ! 少年」ですが、これは英語の慣用句で「がんばれ! 少年」という意味です。
まあわざと勘違いするメッセージを選びました。
ゲームが終わった後、マップにぼくが色々と言葉を書きますが、
電波塔付近にて「Thank you おじさん」なる言葉が書かれているはずです。
どう考えてもケンカ中の言葉じゃないですね。
そこからグーグルなどで調べて答えを知って欲しかったので、あえて対訳を載せませんでした。

このゲームの肝は「謎」とそれが解けた時の「達成感」みたいなものだと思っています。
こういう小ネタでも答えが分かった時に「なるほど!」と思ってもらえるよう、色々と仕込んだわけです。

またあの唐突な電波塔の出現ですが、そもそもはあそこから謎の電波が送られていて、
ぼくが「クリックできる空間」の上にマウスを置くとモールス信号が聞こえる仕様でした。
ただそこまでヒントを与えなくてもいいかと考え直し、制作の終盤でその設定は破棄しました。
あれはその残骸みたいな物です。おじさんのメッセージはその穴埋めです。

ゴンベの秘密

ゴンベ見つけましたか?というかゴンベの看板見つけましたか?
電波塔の先のマスの電信柱に「ペットのゴンベがいなくなりました。見つけてください」なる看板があるはずです。
ゴンベ自身は中学校の右隣のマスの物陰にいます。
さて、看板を見た僕は「これ犬?猫?」といいますが、結局ゴンベはサルでした。
なぜサルなのか?
これは「がんばれゴンベ」という園山俊二の漫画に出てくる主人公のサルから来ています。
この元ネタが分かる人はまずいないでしょうw
元々は猫の絵を描いていたら、絵が下手すぎて犬っぽくなってしまったので、それ自身をネタにしたわけです。
 
工事中のマスの謎

電波塔の近くになぜか工事中の絵のマスがあります。
とても不自然ですが、これはこのマスを何に使うか考え中なままゲームが完成してしまったからこうなっているのです。

元々はトミ子の過去をサイコメトリングする為のマスの一つでした。
本物のトミ子が前の学校を辞める時の背景が語られるはずでした。
本物のトミ子は教育問題で校長先生と対立していて嫌われていました。
その直後に殺されて、偽トミ子がトミ子の名を語り辞表を学校に送りつけるわけですが、
この唐突で不自然な辞職をトミ子のことを嫌っていた校長先生は、前述の理由もあってすんなり受け入れます。
トミ子が入れ替わった時、前の学校をどうやって辞め、整形手術したかがこの事件の不自然なポイントでしたので、
それを説明する必要があると考えたのですが、……色々考えてカットしました。やっぱりいらないかな、と思ったので。

その後浮いてしまったこのマスを再利用しようとアレコレやりましたが、結局うまくハマるものを考え出せず、
あのような絵でお茶を濁したわけです。

また2.00より前の古いバージョンの場合、あのマスでセーブをすると
「工事中につき迂回してください」というテキストが出ます。
逆側からボタンを押して横断歩道を渡りつつじヶ丘古墳へと行けますが、そのヒントにもなっています。

フラテルニテ児童養護施設の「フラテルニテ」って何?

フラテルニテとはフランス語で「友愛」を意味します。
児童養護施設にぴったりの名前だと思ったので。
 
地図の秘密

あの地図には初期状態で結構ヒントが書いてあります。
血のりがついた線路や三人組がいる坂道の絵も書いてあります。
それに気づいたらすぐにサイコメトリングできたはずですし、またその時は気づかなかったとしても
あとになって気づいて「ああ、これってそういうことか」と思っていただけたら面白いのでは?と考えて書きました。

また小さく各地のバス停の絵も書いてあります。
どこに止まるのかの目標の為に書きました。

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