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江戸川乱歩と地獄風景
- Sendousya Denki
- 2017年3月24日
- 読了時間: 2分
自分は何かをする時に前もって計画するプロメテウス派なのですが、後で考えるエピメテウス派の人もいます。 エピメテウスだからと言って大成できないとは限りません。 日本推理小説の祖「江戸川乱歩」は連載小説を書きながら考える人でした。「推理小説」でですよ。

彼の作品で「地獄風景」という作品がありま す。 資産家の喜多川治良右衛門は自分の趣味を生かしてジロ娯楽園なる物を作る。 回転木馬や観覧車、パノラマ館から摩天閣しまいには大迷路まで備えたその個人遊園地の中で、ある時殺人が 起こる。 これぞ「乱歩の世界」と言った感じですが、落ちがすごい。ネタバレになるんで書きませんが 一言で言えば「滅茶苦茶」です。 絵でも小説でも漫画でもいいのですが、とにかく何か物を作っている時、駄作だと感じたり収集がつかないと感じながら、 それでも我慢して作ってる。でも最後の最後に「あ〜もう無理!」とばかりに滅茶苦茶に壊してしまう。 そんな経験ありませんか? 大作家がそれをやってます。少なくとも自分はそう感じました。 乱歩は後に「悪霊」という作品では、それすらも放棄したのか真相解明編で連載を中止しています。(読者への詫状付きw) 想像してみてください。名探偵コナンの真相解明編で、コナンくんが頭を下げている絵が一枚。 「すみません。真相を思いつきませんでした」 ただし名作を連発しているからこそできる技です。くれぐれも真似しないように。
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